食文化と家、生活者の視点と企業論理

住宅の設計をする場合、キッチンのショールームなどによく行くのですが、自分で料理をする手前(自分のやりかたからすると)、今のメーカーのキッチンはいらないものが多いな〜とよく思います。キッチンに限らず、ユニットバスなど、パッケージされた機器はユーザーサイドの希望より、メーカー側の都合で作られているように感じます。
ここ2年くらい海外のプロジェクトに係っていますが、海外のある地域が希望する機器は本当にシンプルな仕様でいいのですが、日本の大メーカーはその仕様に下げたスペックは出来ませんと。いやはや、、。それじゃと、町場の中小企業の意欲ある人々と開発ちゃいましょうと、やってるところです。いろんなことが現実の生活者の視点より、企業論理が優先。
私たちの小さな設計事務所は、生活者の足下からの視点を大事にして、社会に貢献出来ればいいかなと、自問する日々です。

ところで、私の事務所は関東平野の北西にあります。本庄の街は上州の赤城山男体山などを眺める、北に広がった扇状台地にあるのですが、台地から下がった烏川、利根川の氾濫域だった土地は、ネギ、キュウリなど、たくさんの野菜が生産されています。
私の数少ない趣味に「漬け物つくり」があります。当然美味しい野菜の生産地で育ったこともあり、四季折々、その季節の美味しい野菜を漬け物にします。冬の今は「白菜漬け」と「たくあん漬け」が美味しいですね。あと1週間くらいで「たくあん漬け」の樽をあけますが、「白菜漬け」は3〜4日で食べられる浅漬けが中心です。今日は葉を1枚づつはがして漬けたものを食べようと。地域地域の文化と食べ物はほんと素晴らしいなと思います。そんな地域の生活の器としてふさわしい家をこれからも目指して設計したいものです。mt